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残暑の表銀座、槍穂縦走 前編

平成12年8月24日〜29日


 
 24日新宿23:50発の急行アルプスを穂高で下り、タクシーで中房温泉に着いたのが25日5:30。かなりの寝不足である。
 ともかく身支度をして5:45北アルプス表銀座へ一歩を踏み出した。
 燕岳へ直登する合戦尾根は、日本アルプス3大急登の1つだそうだが途中、第1ベンチ、第2ベンチ、第3ベンチ、富士見ベンチと言う名の休憩場所があり、また道もよくて、結構歩きやすい。天気は快晴。やはり山麓からの登りは以上に暑い。
中房温泉
中房温泉燕登山口
燕山荘
トリカブトの咲き乱れる先には燕山荘が
燕岳
燕山荘からの燕岳
燕山頂
燕山頂から大天井、槍をバックに
 合戦小屋を過ぎると、樹林帯を抜け、また勾配も緩やかになりまさに高原ムードで気分爽快。トリカブトの咲き乱れる中、燕山荘が見えてきた。
 10:30燕山荘着。食事をとって、荷物をデポして燕岳山頂を往復。馬鹿みたいに走って行ったら10分で着いた。
 12:40 燕山荘出発。
 なだらかな起伏の続く尾根沿いの道をのんびりと歩く。
 15:00過ぎ 切通岩。
 この鎖のある切通を抜けると、大天井岳へのきつい登りが始まる。
 15:50 大天荘到着。
 テントを張って、食事後10分くらいの距離にある大天井岳山頂へ行く。穂高連峰や槍ヶ岳北鎌尾根が夕日をバックにシルエットになり、山頂をいくつもの雲が通過してゆく。太陽が完全に沈むまでこの影絵をずっと見ていた。
北鎌尾根のシルエット
大天井岳より北鎌尾根のシルエット
 翌26日朝。快晴、気温5℃。
 6:45 槍ヶ岳をバックに記念写真を撮って、東鎌尾根に向けて出発。
 9:40 ヒュッテ西岳到着。ここであった50過ぎの二人連れの一は東鎌尾根に行く予定だったが、疲れて無理そうなので「槍ヶ岳見ただけで充分」と槍沢方面へ下山するそうな。槍の肩まであと数時間なのに、勇気ある撤退?
 12:50 水俣乗越へいったん下ったあと、東鎌尾根を上り詰めて、ヒュッテ大槍に到着。ジュース類売り切れで、しかも水も宿泊者で手一杯だそうだ。水がないので、ここは小休止にとどめて、先に進む。
大天荘前より

大天荘前より槍ヶ岳

東鎌尾根より槍の穂先
 ヒュッテ大槍を出ると、さっきはあんなに遠かった槍の穂先が、一歩一歩大きくなって来る。大迫力である。
 14:05 槍の肩到着。槍岳山荘のテラスはすごい人混みである。槍の穂先へ登る岩場も人がぎゅうぎゅうに詰まっていていっこうに先に進む気配がない。大渋滞である。とりあえず槍岳山荘でテントの申し込みをして、テント設営後夕食を済ませることにする。ついさっき穂先から下山した隣のテントの人の話によると槍の穂先へは5分のろのろ進んだら20分まるっきり動かないと言う状態で山頂までどのくらいかかったかわからないそうである。
  夕食後槍の穂先が一望できる岩の上で穂先から人がいなくなるまでずっとゴロゴロしていた。すごく贅沢な気分。
 17:00 山荘の夕食の放送とともに穂先から人混みが消えた。いよいよチャンス到来。せっかくだから、日が沈むまで山頂にいようと言うことで、ライトと防寒具とコーヒーを持って出発。
 17:20 切り立った岩場をすいすい登って槍ヶ岳山頂到着。とりあえず祠の前で記念写真。
槍ヶ岳山頂
槍ヶ岳山頂
北鎌
槍ヶ岳山頂からは北鎌独標の迫力ある姿が
 山頂の祠の裏から見下ろすと、北鎌尾根とその先に北鎌独標が大迫力で、そびえている。よく見ると、2パーティー計7人が、北鎌平あたりから穂先のとりつきにかけて歩いている。せっかくだからその人達の到着を待ってみる。30分後、ザイルを身につけて次々とチムニーからはい上がってきた。みんな歓喜の雄叫びをあげている。やはり、北鎌尾根から槍ヶ岳の山頂を極めると、喜びも一塩であるのだろう。AyuAyuも話を聞いているうちに、北鎌尾根をやっつけたくなってきた。おまけに最初のパーティーのリーダーが穂先直下のはしごのところで懸垂下降のパフォーマンスまでしてくれた。
 そして、夕闇が迫る頃「来年は北鎌で会いましょう」と言う声を残してAyuAyuは穂先をあとにしたのである。
後編へ続く
後編へ続く


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