27日7:00槍ヶ岳山荘出発。飛騨乗越を経て、中岳の雪渓で水が飲めると思ったのだが、末端からぽたぽたたれているだけ。仕方無しに雪のきれいなところをすくって水筒に詰める。 9:00南岳小屋到着。これで槍ヶ岳ともお別れか? | 南岳より槍ヶ岳 |
10:00遂に大キレット突入開始。20分ちょっとでキレットの底に降り立つ。 最初の難関、長谷川ピーク。最初のトラバースで足が滑り、鎖で宙づり状態。泣きそうである。その後、両側が切れ落ちている岩を四つん這いになって乗り越す。荷物の重さでほとんど逆立ち状態。滝谷の垂壁が否応なしに目に飛び込む。完全に戦意喪失状態。おまけにせまい稜線から垂直に下りるところを見逃してしまい、岩場の末端に着いてしまった。完全に行き詰まった。下から対行者がもっと手前だと叫んでいる。仕方ないから、狭いバンドをへつって何とか下り口までたどり着いた。 とりあえず何とかA沢のコルまで下り着いたのだが、もうイヤだ。ここで大休止。するとカメラマンが北穂池にテントを置いてからA沢を詰めてきて到着。「写真撮りますからみんなで長谷川ピーク行きましょう!」もちろんお断りしたのは言うまでもない。 気を取り直して、今度は大キレット最大の難所「飛騨泣き」に向かう。崩れやすい崖をひたすら登って、遂に「飛騨泣き」の大岩のトラバースまで来た。写真左は大岩から次の大岩へ飛び石づたいに飛び移るところ。股間からは数百メートル下の本谷が見える。右はこの直後の一枚岩のトラバース。AyuAyuが珍しくまじめな顔をしている。工藤が狭いテラスから命がけで撮った物である(本人談)。でも正直の所長谷川ピークの方が怖かった。 飛騨泣きを越えてほっとしたのもつかの間、今度は夕立である。30分以上の大休止の後、濡れて滑る岩を北穂までダッシュする。 14:00、遂に北穂山荘に着いた。今日はこの辺で許してやろう。 | |
北穂のテント指定地は小屋から10分程下った南陵テラスにある。ここからは涸沢カールや奥穂、前穂の眺望が素晴らしい。 | 南陵テラスより前穂と奥穂 |
28日7:00北穂山荘のテント場発。大キレットを通過した後は涸沢岳までの岩場も全然問題ない。軽快にドームを下り、ツルムの直上を通過。ふと見下ろすと滝谷の垂壁が切れ落ちている。すごい高度感。でも今日はけっこう快感。涸沢槍を越え、チムニーをはい上がると涸沢岳山頂である。 9:05 穂高岳山荘到着。30分以上遅れて工藤到着。どうやら高山病みたいだ。仕方ないので、薬とキューピーをもらって飲ませる。10:10出発。 10:35奥穂高岳到着。工藤もキューピーが効いて調子よくなったようだ。 | 奥穂山頂 |
吊り尾根より上高地を見下ろす。 | 前穂山頂 |
29日、穂高を見上げながらゆっくり身支度をし、9:30岳沢を後にする。 11:00 遂に5日間の縦走は上高地の喧噪とともに終わったのであった。 | 上高地河童橋 |